1. 主な仕事内容・特徴
目次
(1)健康診断

それぞれ説明するわ。
(1)健康診断
定期健診(通年実施)
労働安全衛生法に基づき、社員は年1回の定期健診を受けます。大企業では「誕生月健診」のように、年間を通じて実施するのが一般的です。
実務は外部業者に委託するケースが多く、産業保健師は 日程調整・当日のトラブル対応(採血後の腫れによるクレームなど)・健診結果の管理・再検査や精密検査、産業医面談の調整 を担います。
また、人間ドックを代用として提出する社員も多いため、結果確認やシステム入力によるデータ一元管理も重要な業務でした。

パラパラ提出される人間ドックの管理の方が手間がかかったわ。
特殊健診(6か月ごと)
有害業務(有機溶剤・鉛・石綿・放射線・騒音・粉じん・VDT作業など)に従事する社員を対象に、労働安全衛生法に基づき実施されます。
職場単位で同じ作業をしているため、 「全員一斉に受診したい職場」と「必ず誰か残ってほしい職場」 の両方があり、現場とのスケジュール調整が大きなポイントです。
VDT健診は希望者が多い一方で、私生活でのスマホ利用時間が長いため、業務要因かどうかの切り分けが難しいのが実情でした。

現場は機械を止めて一斉に健診へ出てきてたわ。
臨時健診(必要に応じて発生)
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雇入健診:新入社員、派遣社員、期間工などが対象。4月は新入社員が集中します。期間工は高年齢層も多く、精密検査や産業医面談につながるケースが多いです。(降圧剤を内服していることが働く条件等、条件付雇入もあります。)
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海外渡航健診・予防接種:赴任前・一時帰国時・帰国後に実施。辞令に合わせた迅速な対応が求められます。帯同する家族の年齢、健診状況等も確認します。
臨時健診は外部委託せず、社内で直接実施するケースも多く、その際は 看護師としての採血スキル が必要になります。

採血は毎日ではないから、腕が鈍りそうで逆に心配だったわ。
(2)ストレスチェック
労働者が自身のストレスの状態に気づき、セルフケアや医師による面接指導を受けられるようにするための簡単な検査で、労働安全衛生法で従業員数50人以上の事業場では年1回の実施が義務付けられています。
やってねの周知と、実施結果を個人へフィードバックします。健康診断は従業員を受けさせないと働かせることができない(配置できない)ので、上司も気合が入って協力してくれますが、こちらはそこまでの熱量がなく、実施率は健康診断より低めです。受けてもらえるよう、周知を工夫します。
個人の同意なく、結果を職場が知ることはありませんが、高ストレス者と判断された人は、産業医面談を受けることができます。
ストレスの高い人と思われたくない社員もいるため、別の理由で呼ぶ配慮をすることもあります。
その面談を基に、複数の人から裏付けられるパワハラ上司があぶりだされ、人事の配置換え材料になることは実際ありました。
会社は、メンタルヘルス不調が労働災害と認定されると、労働契約法で定める「安全配慮義務」を怠ったとして、民事訴訟に発展する可能性もあるので、「長時間残業の産業医面談」(こちらも調整業務あり)の実施と合わせて真剣に取り組むべき業務となっています。

上司は自分の職場について、さぐりを入れたそうな人もいたわ。
(3)メンタルヘルス休職者への復職支援
メンタルヘルスの不調で休職中の労働者が、円滑に職場復帰できるよう、お休み中から計画的に本人と連絡を取って、復帰をめざす支援です。
厚生労働省の調査でも、復職者のほぼ半数が5年以内に再休職に至ります。特にうつ病は再発しやすい疾患であり、一度経験した人の約60%が再発し、再発を繰り返すほどその割合は高まると言われています。
なので、スムーズに職場に復帰(リターン・トゥ・ワーク)するためのプログラムを提供する「リワーク施設」なる企業もたくさん参入してきており、そうした企業を紹介し、休職中に生活リズムを整えるために出社し、体力回復、心理的ケア、社会復帰訓練を多角的に体験してから、職場復帰してもらうことが主流です。
プログラムは、園芸や卓球、簡単なパソコン作業等、本人の希望で選ぶことができます。再休職しないよう、休職中にも面談し、本人のリワーク業務がどのような状況か、企業からも意見を聞くなどしてサポートします。
いざ復職面談を会社でする時には、本人、上司、労務担当、産業医、産業保健師皆で立会い、復帰の時期が適切か、それぞれの見解を述べ、復職時期を決定します。
復職後も定期的に産業医面談の設定や、面談以外の時にもメールや電話で、本人や上司から悩みを聞き、適宜、産業医面談への橋渡しを行います。
人事部所属ということで、単なる健康相談ではなく「会社を守る立場」も兼ねるのが特徴です。

復職が近くなると、生活リズムが整っているか、本人へ1日の過ごした日記のようなものを提出させる会社も多いわ。
(4)職場環境改善活動、安全巡視
ストレスチェックで、職場が高ストレスに認定されると、仕事の要求度(仕事量や責任など)と仕事のコントロール(裁量権)のバランス関係を分析し、労働時間、作業方法、組織、人間関係など、改善できるところはないか、職場の上司やその課全体にフィードバックして話し合いを設定したりします。
また、高ストレス者がいる職場かどうか、事前にチェックして、高ストレス者の働いている様子や周囲の人との関係も確認し、その後の支援に繋げています。(職場にはもちろん守秘義務でさりげなくです。)
詳しくは、厚生労働省;働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトに職場環境改善ツール(手引きやパワーポイントなどの教材)でやり方を学べます。https://kokoro.mhlw.go.jp/manual/

1対1で話を聴く社員が、どんな現場で働いているか、見ることができる貴重な機会でもあったわ。
まとめ
働く社会人の健康診断や社員支援が中心で、病院とは全く違う業務内容になります。
社内診療所がある会社も多く、そうした場合、非常勤医師が日替わりで勤めるため、看護師も外来業務で活躍しています。
企業の考え方によって、仕事内容や役割は異なります。どんな企業があるか、日ごろから時々見ておくと参考になりますよ。
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